500色の色えんぴつ」の第一弾が届いた。500色も色の名前はないので、中にはすごく抽象的な名前だったり、詩のような名前があったりする。最初のセットでは「収穫まぎわの麦畑」とか「大輪の菊祭」とか「夕張メロン」とか。限定発売みたいな話だったので、ぼくはとりあえず2セット注文した。一度のリリースが25本だから月イチであと19回届く。実は500色の色鉛筆がつくられるのは今回が2回目で、1992年に発売された最初の500本セットは三菱鉛筆の本社ロビーに展示されている。当時はuniの三菱鉛筆が製造していたのだ。かなりのハイクオリティだったはずだ。今回の復刻版は残念ながら三菱鉛筆製ではないらしい。中国製と書かれている。時代は変わったね。uniじゃないのはホントに残念です。 

三菱鉛筆のuniが生まれて今年で51年。昨年、50周年記念の冊子(CasaBRUTUSのブックインブック)の原稿を書いた。uniについては、改めて原稿を書いてみたいと思っている。

戦後、奇跡的な復興を遂げ、工業化が進む1950年代の日本。しかし当時、Made in Japanは欧米では安物と模造品の代名詞、鉛筆もその例外ではなかった。1953年、視察で欧米を巡った三菱鉛筆技術部長(現・相談役)数原洋二氏は、日本の鉛筆の評価が低いことに愕然とする。当時、日本の鉛筆が目標としていたのはドイツ製鉛筆のクオリティ。しかしそれはドイツの模倣と揶揄され、帰国後、数原氏は輸入品の影響下から脱却した、日本オリジナルの高級鉛筆の開発を決意する。元来、精緻な仕事を喜びとする日本企業が、総力を上げて世界一の鉛筆を目指す。それがuniの出発点でありゴールだった。