前厄の年に、自覚症状がないまま高血糖症と高脂血症が進行していた頃、足の親指の爪が白く濁るようになり気になっていた。後で医師の話で知ったのは、これは爪甲剥離症で、糖尿の合併症で抵抗力がなくなり白癬菌で発症するものだということ。つまり爪の水虫。医師からは塗り薬で治らないので専門医を訪ねたほうが良いと言われていた。とはいえ、爪の水虫は痛みやかゆみがあるわけではないので、気にすることなく放っておいたら、最近、小指の爪も白く変形し始めたことに気づく。それで近所の皮膚科を訪ねることにした。

まず診察室で靴と靴下を脱いで素足を台の上に載せる。女医さんはピンセットで爪を削って顕微鏡で診断。

「はい、爪白癬ですね。間違いないです」

まあ、ここまでは予想通り。

「えーと、これは、治りませんねー」
「えー!!?」