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三本和彦さん [その他]


近所の駐車場に放置されている、通称“ハコスカ”PGC10型。昔のスカイラインは小さかったんだな。隣のミニと比べるとサイズがよく分かる。今の一世代前のスカイラインのクーペが発表された時、甲州街道沿いのディーラーに見にいったけど、あまりにデカイんで驚いた。ディラーの人も「大き過ぎる」と言っていた。3500CCだもんな。土屋圭一に「これじゃあセフィーロだ」って言われちゃったんだよな。羊の皮を被った狼が「くう、ねる、あそぶ」になってしまったわけか。スカイラインといえば直列6気筒S20型エンジンの2000GTというイメージは四半世紀前の遺物なのだ。ちなみに1964年、レースで活躍する当時のスカイラインに「羊の皮を被った狼」と新聞記事のタイトルを書いたのは、テレビ神奈川の「新車情報」で「不躾ではございますが……」の司会でおなじみの三本和彦さんだ。

ところで、この黒いスカイラインは本当にGT-Rなんだろうか。グリルのGT-RのエンブレムがC110型のGT-Rエンブレムのような気がするし、オーバーフェンダーもない。バッジだけを付け替えただけなのかな。かつてカルロス・ゴーンは「日産には重要なアルファベットが3文字ある。G、T、Rだ」と言ったらしい。今年の10月にはついに市販型GT-Rがデビューする。でも、実を言うとまったく興味がない。アウトラインはいろんなリークでほ丸裸になっているけど、あのマッチョなデザインでホントに良いの? GT-RってスカイラインのGT-Rだから意味があったんじゃないのかな。違う?

日産はゴーンの無慈悲なコストカットで鮮やかな復活を果たしたが、たぶんムダな(と思われる)開発費なんかもまるごと削ってしまったのだろう。純粋科学は産業の役に立たないと基礎研究の部分を切り捨てるのは、ゴハンを栄養面だけで見ているようで味気ない。基礎研究がないのは根がないのと同じ。これは企業だけに限ったことではない。日産は宇宙開発も止めてしまったけど、ホントに止めて正解だったのだろうか。かつては「技術の日産」を標榜した日産が、今ではトヨタやホンダと比べ技術的に大きく遅れをとっているように見えるのは気のせいだろうか。ホンダの二足歩行ロボットASIMOとか、道楽でつくっているように見えるけど、ああいう技術が10年後に効いてくるんだと思う。ゴーンのやり方が本当に日産にとって良かったのか。その答えはこれから10年で出るはずだ。前出の三本さんは、ゴーンがCEOになって品質が劣化した日産車を嘆き、「フランス野郎が……」とテレビで言ってしまったんだよな。基礎研究を蔑ろにしているという点では、今のソニーも同様だ。

ぼくは「新車情報」の三本さんの骨太な物言いが好きだった。何よりクルマを愛する気持ちが伝わり、それ故の厳しい意見なのだと納得がいった。ぼくがテレビを観なくなって久しいが、その間にテレビ神奈川の「新車情報」も終わっていた。こういう方がテレビの画面から消えるのはホントに残念だ。三本さんのエッセイがウェブに残っているので、今でも時々読み返すことがある。

http://www.motorfan.jp/modules/xfsection/index.php?category=2

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