少し前の話になるけど、廻ってないのにクオリティと価格は回転寿司とほぼ同等という、かなり微妙なお気楽寿司屋に一人で入って夕食を食べた。場所は秋葉原。なぜか両隣はレースクイーンみたいな素敵な女性と既婚の中年ビジネスマンという組み合わせだ。どんなこと話しているのか、ちょっと気になって、器用にも左右交互に盗み聞きしたんだけど、どちらも、売り場での新製品のキャンペーンがどうこうとか、なんとか部長はホントにいい人……とかいう湿度ゼロの砂漠会話で、今時の「LEON」読者が意外に淡白なので驚いたりした。女性は量販店でミニスカはいて笑顔でサンプル配ったりしている人たちなんだな、たぶん。仕事の話の後は、お決まりの自慢話に突入なんだが、中途半端な美女を前にして口説くきっかけを失っている様子。そのうち言うに事欠いて「昨日の夜、シャンプーとリンスを間違えちゃってさあ」みたいな円熟の面白話が出てくるんじゃないかと個人的にはハラハラしていた。