韓国からtokyo wonder siteに招聘されている美術映像作家ドンヒー・クーさんと久しぶりに再会し、神宮前でお寿司を食べた。彼女のプロフィールはtokyo wonder site aoyamaのサイトで紹介されている。来月はオープンスタジオの予定もある。ドンヒーは世界のどこでも自分を見失わないジャイロコンパスのような感覚と、とてもリベラルな視点を併せ持つ作家だと思う。ぼくは彼女のそんな姿勢を心から尊敬している。
http://www.tokyo-ws.org/aoyama/index.html

その食事の席の後で、ドンヒーから、韓国美術界の大スキャンダルの話を聞いた。これはみんな知っている有名な話なんだろうか。1995年から始まった韓国の現代美術展「光州ビエンナーレ」は、現在ではアジアを代表するアートイベントになっている。このビエンナーレの次のディレクターを務めるはずだった申貞娥(シン・ジョンア)という、東国大学助教授の美術評論家の醜聞だ。彼女は30代半ばで、最年少の美術監督として注目されていた。ところがその彼女の経歴の一部が“贋作”……つまり学歴詐称で、さらに彼女は政界の大物と癒着していたり、ビエンナーレのディレクターのポストを手に入れかけたのも、スキャンダラスな背景があるとか、美術界のみならず韓国の政財界の要人にまで延焼した大ニュースだったらしい。