1月にシュツットガルトに行った時、いや、帰った時に、郊外のシュタムハイムにある「青少年クラブ」を建築家のNさん、フォトグラファーのHさんと見に行った。
これはテンション上がるね。



「TOTOヨーロッパ建築案内」のシュツットガルトのページに、他の有名建築を差し置いて紹介されていた建築物だ。建築家はペーター・ヒュープナー Peter Hubner(ヒューブナーという表記もあり。ドイツ語の発音だとプのほうが近いはず)。でも施工図面を作成したわけではなく、スケッチを描き、それをもとに地元の人々が集まって施工したらしい。ちゃんと調べてみたいところだが、今は手元に資料がないのでした。2002年にはフランクフルトの「自由ヴァルドルフシューレ」も手掛けているようだ。とりあえずAmazonで著書を購入しようと思う。藤野シュタイナー高等学園の校舎を、先生と生徒が自分たちで建てていたことを思い出した(関連記事12)。





シュタムハイムは、70年代の自律的左翼組織ドイツ赤軍(RAF)メンバーが収監された刑務所があることでも有名だ。70年代後半に起きた、誘拐、殺人、ハイジャックなど、一連のRAFのテロ事件は「ドイツの秋」(Deutscher Herbst)と呼ばれ、首謀者であるRAF幹部はシュタムハイム刑務所内で自殺する。この数々の事件に関して1978年には「秋のドイツ」というオムニバス映画が製作され(テロ事件の通称はこの映画のタイトルに由来する)、また、1986年にはベルリン国際映画祭でドキュメンタリー映画「シュタムハイム」がグランプリを受賞している。昨年秋にドイツで公開された新作映画で、アカデミー外国語映画賞にノミネートされた「バーダー・マインホフ・コンプレックス(Der Baader Meinhof Komplex)」も、この時代のテロ事件を描いた映画だ。つまりシュタムハイムは、ドイツでは70年代の左翼テロのイメージに結びつく街でもあるのです。

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