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江ノ島に住もうと思ったことがある [その他]

先週、仕事で湘南台に出かけた。で、湘南台と言えば長谷川逸子さんが設計した「湘南台文化センター」。1990年竣工。もう17年も前の建物だったんだ。確かにあの頃は“こんな気分”だったなあと、当時のあれこれを思い出す。とにかくパンチングメタルな時代だった。実はホンモノを見るのはこれが初めてだ。見にいく前は、けっこう荒廃していて、メタルはサビだらけなんじゃないかと思ってた。でも写真の通り、竣工当時に雑誌で見た印象そのままで、17年という築年数が感じられないくらい、それなりにキレイなので驚く。形はヘンテコだけど、特別手を入れなくても意外に使い勝手がよくて、地元の人たちからも愛されているっていうことなのかな。建築の良さとか欠点とかは時間が経たないと分からないね。

湘南台から真っすぐ帰るのがもったいなくて、江の島線で片瀬江ノ島まで行き、そこからロマンスカーで帰ろうと思う。昔、江ノ島に住もうと思ったことがあり、不動産屋で賃貸物件を探したことがあった。10年くらい前だと思う。なぜ江ノ島なのかと言うと、新宿から電車に乗って終点であることと、ロマンスカーが走っているからだ。特急電車が好きなんだな。それに海が近いのも気分が良さそうだ。ぼくは海の近くで暮らしたことがなかったから、一度は海辺で生活したいと思っていた。当時、ぼくは大久保で暮らしていて、その時のアパートの家賃は破格の39000円だった。住民票を藤沢市に移して江ノ島で暮らすと、会社から定期券代が15000円くらいもらえる。それにあと2万円くらい上乗せすれば、もう一部屋借りることができた。ふだんは大久保で暮らして、金曜の夜に仕事が終わってからロマンスカーで帰る日々は良いかもな、と思っていたら、大久保のアパートの取り壊しが決まって、この計画も壊れてしまった。

ぼくは大久保の木造アパートが大好きだった。ここを引き払い、別の部屋で暮らし始めてから、ある夜、ふと、あのアパートはどうなっているだろうと、小雨の中を自転車で出かけたことがある。巨大な柿の木の茂みの下を抜け、クルマが入れない路地の、さらに人が体を斜めにしないとすれ違えないような、細い路地のどん詰まりに、その木造アパートはあった。ぼくが行った時は既に取り壊された後で、所狭しと瓦礫が積まれていた。庭にあった小さな柚の木もなくなっていた。こんな悲しい風景を見ることになるのなら、来なければよかった。2階には大家の家族が暮らしていて、昔はたぶん団らんがあったのに、今は何も残っていない。何かを壊す仕事というのは辛いだろうな。



片瀬江ノ島駅のまわりは、ずいぶんと変わっていたけど、不思議と印象は昔と同じだ。ぼくはいろんなことを思い出しながら小一時間散歩した。散歩の締めに居酒屋で何か食べようと思ったが、駅の近くに戻ると近くに営業中のお店は少なく、そんなにお腹も空いていなかったし、そのまま帰宅することにした。最終のロマンスカーは既に藤沢駅を過ぎたあたりで、ぼくは急行に乗って新宿まで寝て帰った。

最近、朝4時に寝て7時30分に起きる日々が続いていた。昼間は打ち合わせと取材があって原稿が書けないので、どうしても夜なべ仕事になってしまう。先月書いた仕事量は原稿用紙に換算すると150枚近くにもなる。こんなに何を書いたんだろう。思い起こすと、エアコンと床暖房の室内温度分布の違いとか、サーマルマネキンを使った環境評価とか、トップライトの防水とか、こんなのぼくが書いていいの? と思う記事ばかりだが、専門家の話を聞けて、どんなことであっても、知らないことを知るのはホントに楽しいことだ。こんな感覚を忘れて久しかったので、気分的には若返った感じなんだけど、慢性的な睡眠不足がたたってか、ついに酷い夏風邪を引いてしまった。熱と咳が辛い。それでも休めなくて、徳島に取材に行き、ぼくだけそのまま徳島に残って翌朝締め切りの原稿を書いた。これが終わると締め切りはしばらくない。

夜、徳島ラーメン(肉入り)を初めて食べた。スープも叉焼もどっしりと味が濃くてちょっと意外な感じがした。同じ麺類ということでお隣の讃岐うどんのイメージがあったからかな。麺は歯ごたえがあって美味しかったです。結局ホテルのベッドを使わないまま徹夜で仕事をして、そのまま空港に行く。台風の影響で東京行きは1時間近く遅れて離陸した。1000円払ってクラスJシートにしてもらい、20分だけ仕事をして、あとは熟睡して帰京する。飛行機の中があまりに乾燥しすぎていて苦しかった。空港からそのまま打ち合わせに向かい、それが終わると何もできなくなり、翌日の昼過ぎまで眠り続けた。咳はまだ酷い。こういう生活、何とかならないものだろうか。とりあえずWELWDAで無糖の白樺のエリキシールを買った。最近ネコに会っていない。

長谷川逸子/ガランドウと原っぱのディテール

長谷川逸子/ガランドウと原っぱのディテール

  • 作者: 長谷川 逸子, 建築計画工房
  • 出版社/メーカー: 彰国社
  • 発売日: 2004/04
  • メディア: 大型本


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コメント 2

熱が下がっても、咳だけ残って苦しくなることもあるんですよね。温かいお茶をたくさん飲んで、喉を冷やさないようにしてくださいね。

早く風邪がよくなりますように。。。
by (2007-08-05 05:28) 

hsba

さえさん、ありがとうございます。
とにかく水分はしっかり摂って、毎食前に医者に処方してもらった麦門冬湯という漢方薬を飲んでいます。こういう時に気温と湿度が高いのはホントに辛くて、カラッとしているヨーロッパが羨ましいです。
by hsba (2007-08-06 13:10) 

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