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どうでもいいニュースでなぜか気になったネタ2題 [生活雑感]

今日もFC東京の平山相太が「戦力外スタート」とかスポーツニュースでいじられていたな。国見高校時代は将来の日本代表のエースストライカー! なんて持ち上げられていたのに、最近はすっかり虐められキャラになってしまったみたいだ。FC東京やU20のチームメイトからの信頼もあんまりないみたいだし。確かに緩慢でマヌケな印象はあるけど、中には的外れな批判もあると思うね。正直、ぼくもあまり好きな選手ではないが、それ以上に、マスコミからはかなり意地悪な目で追いかけられている感じがする。ヘラクレス・アルメロから、事もあろうにホームシックで帰国して、ろくにオランダ語も覚えられなかったダメ日本人、が日本での再出発のスタートラインだからその後のハードルは高いよね。でもそのへんのネタで平山を嘲笑して批判する人たちは、1年間オランダで一人暮らしすると言葉もちゃんとマスターできて、ホームシックにもならず、楽しい海外生活を送れるなんて考えているんだろうか。「英語なんてさ、1年もアメリカで暮らせば何とかなるよ」とか真顔で言う人もいるけど、ホントにそう思っているのかな。そんなの一部の才能のある人だけだよ。

コミュニケーションの手がかりゼロのオランダ語環境で、19歳の東洋人が一人っきりでどんな想いでプレイしていたのだろうって考えたことある? しかも競争の中で。日本で安穏として、あーだこーだ勝手なことを言っている内弁慶の、井の中の蛙には分からない苦労がたくさんあったはず。もちろんそれを乗り越えてこそプロフェッショナルだし、それなりの待遇で暮らしていたとは思う。オランダ語レッスンもサボっていたという噂もある。同じく10代でオランダのエクセルシオールにレンタル移籍した小倉隆史のフットボールプレイヤーとしての颯爽とした姿を思い出すと、やっぱり平山ってホントに情けないヤツだったと思うよ。でもね、ぼくは、そんな平山は、ぼくたち大多数の日本人と同じフツーの「情けない日本人」だったと思うんだ。小倉やナカタが特別だっただけ。あのへんの一部の成功者を「当然!」なんて考えると、最後は自分の首を絞めることになるからね。初年度に8ゴールも挙げたのに、その後のアレコレでダメ烙印を捺された平山は、「アレコレ」に限って言えば、情けない「ぼく」たちを映し出す鏡だったのではないかと思う。あの夏目漱石だってイギリス留学で心身症になったじゃん。今とは情報量が違うから単純には比較できないけどさ。ぼくも10代で、一人で、日本語を話す人がぜんぜんいない、見知らぬ国の競争環境に送り込まれたら引きこもりになったかも知れない。平山は語学留学とかお気楽ホームステイとは違うんだよ。
帰国してから、得点パフォーマンスも気持ち悪いと言われ、運悪くスポンサーの看板を蹴り壊して、レッズ戦の前日に髪を赤く染めてしまったり、いつも間が悪くて、スポーツ新聞には練習不足だとか太り過ぎとか戦力外だとか書かれ……巷で喧伝されるニュースだけを読むと、もうどうしようもないほどダメな男で、実際ダメな人なのかも知れない。なぜか「不器用」が褒め言葉になった時代もあったけど、あれは「日本人(男性)」の甘えであり、自己正当化だったんじゃないかな。だから、平山を温かく見守ろうなんて言えないけどね。世間の「流れ」に迎合して、ニュースにバイアスをかけて、プレイ以外のことまでとやかくエラそうに語るスポーツ新聞記者やスポーツジャーナリストは、フランスのレキップ紙あたりにキャリア留学でもしてみたら。世界は広いんだよ。

auの携帯電話が「MoMA」のパーマネントコレクションに選定された。

ほとんどの人は勘違いしていると思うけど、世界最大のモダンデザインコレクションは「MoMA」じゃなくてミュンヘンの「ピナコテーク・デア・モデルネ Pinakothek der Moderne」だからね。ここは1907年、ドイツ工作連盟設立と同時に日用品や工芸品の収集を開始した世界最古のデザインコレクションで、1934年から工業製品をコレクションし始めた「MoMA」なんか足下にも及ばない収蔵数を誇っている。たぶん倍以上(それでもナチスドイツ時代に25%が消失したそうだ)。でもその事実はほとんど知られていない。で、世界的デザインコレクションと言うと「MoMA」になってしまう。それがアメリカの美術館のマーケティングのうまさなんだよな。とはいえ、いつか、ホントに真面目なドイツの美術館の姿勢が評価される日がくると思う。携帯電話のデザインで言うと「ピナコテーク・デア・モデルネ」はもっと前から日本の携帯電話をいくつもコレクションしている。その携帯電話のウェウブサイトごと保存している例もあるらしい。彼らは「時代を客観的に記録すること」にどうしてあんなに真剣なんだろう(もちろん本当に客観的に記録することはできないことも知っている)。



昨年の秋に訪れたとき「ピナコテーク・デア・モデルネ」ではドリアデ展を開催していた。会場にはドリアデに協力しているデザイナーの似顔絵が展示されていて、ラヴグローヴの隣がアルフレード・ハビエリで、その隣が吉岡徳仁さん、コンスタンティン、カスティリオーニと続いて、いちばん奥の顔色が少し悪い人はマーリだな、たぶん。
1月24日発売の「エスクァイア日本版」の美術館特集では、知られざるドイツの名コレクションの数々を紹介しています。ハノーヴァー在住の小町英恵さんが取材されたヤン・フートのインタビューはスゴく面白い。必読です。
http://blog.so-net.ne.jp/hashiba-in-stuttgart/2007-06-02


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