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男前の殺し屋は [美術/音楽/映画]

別に「メトロに乗って」行かなくても「昭和」はうちのすぐ近所にあるからさ。



「純喫茶いこい」でナポリタン(700円)を食べる。メニューには「やさい、くだものつき」と書いているのだが、その両方が一緒に盛られているとは思わなかった。でも果物は全部フレッシュで、イチゴ、バナナ、オレンジ、グレープフルーツ、メロン、梨、リンゴ、キウイフルーツ、おまけに柿まで載っていた。これってスゴくない? それをレタスとキュウリの上に載せるんじゃなくて、別のお皿に盛り付ければ……。一方、野菜のほうはトマト、きゅうり、レタス、コーン、かいわれ菜、あと、ゆで卵もこちらに入れておくか。これを別の器にまとめてマヨネーズかドレッシングかけると、それはそれで充実の一皿なんだけど。ケチャップとウスターソースって、ぼくにとっては昭和の味だ。

鈴木清順の「殺しの烙印」を観たけど、これは傑作だね。「日活」のマークが出るところから銃声が響き、タイトルからオープニングシーンにかけてが超スタイリッシュ。この始まり方でスゴく期待したのだが、ストーリーは単純、というか荒唐無稽。ハードボイルドをおかずにハードポイルドを食べるハードボイルド定食だ。殺し屋ランキング(?)第三位の宍戸錠は、ゴハンの炊ける匂いで勃起するという変な性癖の殺し屋で、いろいろあってランキング第一位の幻の殺し屋に狙われることになる。この幻の殺し屋の殺し方はたぶん驚くよ。ある意味ストーカーだもんな。殺し屋ランキングっていうのがあるのも驚きだが、殺し屋たちがそのランク入りを目指して切磋琢磨しているのも驚き。ランク入りするためには酒と女は禁物らしい。映画の中でキザなセリフが決まるのは宍戸錠だからだな。体温ゼロで喜怒哀楽のない真理アンヌの演技が不気味。彼女の部屋がまたスゴイんだ、これが。これはDVD持ってていいかもね。鈴木清順はこの映画で日活をクビになったらしい。
ちなみに主題歌はこんな感じ。もうアタマから離れないよー(「」内は語り、セリフは宍戸錠と大和屋竺)。

男前の殺し屋は、香水の匂いがした〜
「でっかい指輪はめてるな」
「安かねえんだ」
「安心しろ。そいつには当てねえよ」
まがったネクタイを気にして〜死んだ〜

寝ぼけ顔の殺し屋は、寒そうに震えてた〜
「女を抱いてきたのか」
「あたりきよ」
「湯たんぽを抱きな」
熱い鉛を抱いて〜死んだ〜

青い顔の殺し屋は、見覚えがあった〜
「誰だ?どっかで見た顔だな」
「……」
「やるか?」
鏡の向こうに、砕けて、消えた〜……。

鈴木清順の映画はこれまで観たことがなかったので、さっそく「夢二」を借りて観てみたけど、話が意味不明に捩れるところと執拗なスタイリッシュ志向は「殺しの烙印」と一緒だ。こちらはちょっとやりすぎだけど。主演の沢田研二はやっぱりどう見ても沢田研二なので、「沢田研二」役以外はできないと思う(「太陽を盗んだ男」でもそう思った)。竹久夢二役は無理だったのではないだろうか。ロケ場所もどれも素晴らしくて見事なんだけど、そこに沢田研二が立つとぜんぜん大正時代に見えない。それに絵描きっぽくないし。それでも共演者の元宝塚女優毬谷友子にはただただ見とれてしまった。あと宮崎萬純も。二人ともとても美人ですね。衣裳はトキオクマガイ時代の永澤陽一が担当している。


殺しの烙印

殺しの烙印

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2001/10/26
  • メディア: DVD



ビキニを着ないボンドガールなんて……(次回作の007はお色気封印だそうです)。


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