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ドイツ料理は美味しいか。 [食事]

今日(実際は一昨日)のランチは知人と「ツム・アインホルン」のドイツ料理。
朝から夏のような陽気で、午後の仕事のアポイントメントは夕方なので、今日のお昼はホワイトアスパラガスとシンケンと冷やしたロゼワインだ、と期待に胸を膨らませていたのだが、残念ながらドイツ料理じゃなくて普通のファミレスのランチメニューみたいだった。しかもメニューにはビールもワインも載っていない。ぱくぱく食べさせて客回転数を稼ごうとしているのだろうか。サービス係のコメントを聞いて、シュニッツエルだと思って注文したら焼き肉定食で気分的には撃沈。前日ウェブサイトをチェックすると本格的な南ドイツ料理が並んでいたけど、たぶん、あれは夜だけなんだな。サラダの味付けは確かにドイツ風。料理にはしゃきしゃきのインゲンとあらかじめ茹でてあった平打ちの軟弱パスタが添えられていた。せめて付け合わせが茹で過ぎてくたくたのインゲンとうにゃうにゃのスペッツエレだったら、同じ「ダメ」でもドイツっぽかったのだが。と文句ばかりですが、知人と久しぶりの会食で食事の席は楽しかった。「ドイツ料理」じゃないモノを食べていると思えば、ひさびさに充実のランチタイムだ。

もっともシュツットガルト滞在の1年は、外で食事する時はすすんでドイツ料理店に行くというよりイタリア料理やベトナム料理が多かった。そんなわけで本当はドイツ料理を偉そうに語ったり、肩を持ったりする立場ではない。ごめんなさい。でも、帰国してから、「ドイツってさ、食べ物が、ほら、アレだったでしょう」と言われると、思わず「いやいやフツーに美味しかったですよ」とムキになって答えてしまう。正直言うと救いようがないくらいマズいモノもたくさん食べた。ビール工場に附設されたビアホールやクノールの味しかしない街の大衆食堂、空港や観光地のレストラン……等々。そんな悪夢の記憶を吹き飛ばすくらい、ホントに美味しいお店がシュツットガルトに一軒だけあった。その料理の感動がドイツを離れて以来どんどん膨らんで、今やぼくの記憶の中では「ドイツ料理はウマい」ということになっているのだ。人の記憶はあてにならない。

ガールフレンドとドイツ料理の話をする時、必ず話題に上るのは、シュツットガルトの少し品の悪い通りにひっそりとある「Weinstube Froehlich」という小さなお店だ。「このお店をこのまま東京にもってくれば超人気店になるね」と今でもよく話をする。フロアのスタッフは全員女性で、ドイツとは思えないくらい温かい接客が心地良かった。いつもほとんど満席だったから、バーカウンターで食前酒や冷たいワインを飲みながら席が空くのを待って、食事中のテーブルを詰めてもらって相席で食べたり、夏場は狭い中庭でビールを飲むのも楽しかった。料理の量は他聞に漏れず多過ぎで、ドイツ人でも残す人がいたけど、ぼくはほとんど完食。付け合わせのサラダや温野菜もとても美味しい。お店の雰囲気がとても良いので、いっそう美味しく感じたのかも知れない。食後に飲むベリーの蒸留酒も種類が豊富で、いろいろ試せて面白かった。あの気持の良い雰囲気をどう伝えたら良いのか。「Froehlich」で食事をすれば、きっとドイツ料理を見直してもらえると思う。このほか、少ない経験から誤解を恐れずに言えば、ドイツではレストランより人の家で食べる普通の家庭料理のほうが間違いなく美味しかった。ん、やっぱり美味しいのか。ドイツ料理はそんなに悪くないんじゃないかという気がしてきた。

「ツム・アインホルン」 http://www.zum-einhorn.co.jp/

シェフの著書だそうです。

ビールの国の贈りもの―ドイツビールと料理の楽しみ

ビールの国の贈りもの―ドイツビールと料理の楽しみ

  • 作者: 野田 浩資
  • 出版社/メーカー: 里文出版
  • 発売日: 2002/08
  • メディア: 単行本


本としてはこちらのほうが面白そう。著者のドイツかぶれが鼻につくとの不評もあり。

ドイツおいしい物語

ドイツおいしい物語

  • 作者: 白田 環, 大島 慎子
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 1996/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



ちなみにこの日は夕方からは、昼間の五月晴れと打って変わって、派手な稲光と雷鳴で盛り上がる豪雨で、少し外を歩いただけで革靴が煮込み料理みたいになってしまった。夜は新宿一丁目にある「呉さんの厨房」で久しぶりの再会と初対面の情報誌編集者の方々と一緒に台湾料理を食べた。呉さんの料理はハズレがなくて、タケノコのお刺身が初めての食感で特に美味しかった。フカヒレの炒め物をレタスに包んで食べる料理も感動。締めに食べたチャーハンもウマい。お店はカジュアルだけど料理はどれも品が良い。感じはぜんぜん違うけど、オープンしたての頃の「文琳」の料理を思い出した。「文琳」はどうして変わってしまったのだろう。それともぼくが変わってしまったのだろうか。「ジーテン」の料理も「吉田」の頃のほうが好きだ。昔を懐かしがる老人みたいだなと思う。

「呉さんの厨房」http://www.h2.dion.ne.jp/~wu-san/index.html

また高名な「雑誌」が、出版社じゃない会社にテイクオーバーされるという噂を耳にして、スゴイご時世だなとしみじみ思う。これが業界再編というものなのか。そのうち「東京三菱UFJ」みたいな大合併雑誌ができるかも知れない。編集部員が全員元編集長とか。こうした状況はまだ当分続きそうだ。お金が余っていて、大きな買い物が好きな人がたくさんいるということだ。


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