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POSTMODERN SOAP OPERA [デザイン/建築]

朝、顔を洗う時に使うのは、誰が何と言っても石けんだ。

洗顔フォームはなぜか信用できない。何となくインチキのような気がする。匂いがダメ。それに時々歯磨きのチューブと間違えてしまう。何より石けんが一個あれば事足りてしまうので最近は買ったことがない。ただし、合成界面活性剤は危険で石けんは安全という考え方は、合成洗剤の技術革新が目覚ましい今日では一概に正しいとは言えないらしい。天然石けんの材料であるパームやしを穫るために熱帯雨林が伐採されているという説もある。正直、何が正しいかは分からない。いずれにしても個人的には圧倒的に石けんが良いと思う。すすんで合成洗剤を使おうとはぜんぜん思わない。

石けんの中でも、とにかくグリセリンソープがいちばんだ。
シュツットガルトにいた頃はイギリスのDoryt'sを使っていた。今はポルトガルのMUSGO REALを使っている。汚れがしっかり落ちるような気がするし、ケミカル感がなくて洗った後も気持ち良い。この石けんは、通販でいろいろ注文するついでにまとめて買う。Doryt'sに比べるとかなり高い。でも定価で手に入る、生粋の石けんメーカーがつくっているグリセリンソープとなると選択肢は広くはない。 あとは自作するという手もあるが、「休日はグリセリンで石けんをつくってます」というのは、40代独身男としてちょっとヤバくないか。そんな自問自答の結果、出来合を選ぶに至ったわけだが、こういうのを本当の意味で「こだわり」って言うんだろうな。「こだわり」って最近は良い意味に使われているけど、実際は拘泥と同じ、どうでも良いことに執着する粘着質な嫌なヤツを指す言葉。それにむさ苦しい男が、どの石けんがどうのという話をするのは、考えてみるとかなり不気味だ。申し訳ない。でも、書きたいことは石けんの中味のことじゃないので、このまま書き進めることにする。

調べてみるとMUSGO REALのメーカーCLAUS PORTOは1887年から石けんをつくっている会社で、ウェブサイトがあるけどポルトガル語なので判読できない。アメリカにはLafco New Yorkというディラーがあって、こちらは英語で商品が紹介されている。このサイトによるとMUSGO REALはCLAUS PORTOの男性向けのブランドだった。確かに男っぽいな。で、メインのCLAUS PORTの製品はどうかと言うと、これはかなり魅力的だ。
http://www.lafcony.com/products/clausporto/

Lafco New Yorkが取り扱っている製品は、CLAUS PORTO以外はSanta Maria NovellaとLORENZO VILLORESI、EAU D'ITALIE、Trilogy。サンタマリア・ノヴェッラはトワレも石けんもきっと素敵な品々なんだろうとは思うけど、あの価格では、普通の人は普段使いには買えないだろうな。完全に貴族価格。ロレンツオ・ヴィロレッツィは伊勢丹本館にショップがあるらしい。こちらもあまり興味がない。あとのブランドは分からない。いずれにしてもセレブリティ臭がする。そんな中で興味津々なのはCLAUS PORTのプロダクツだ。価格も前述の貴族ブランドに比べると、まあまあ庶民派とギリギリ言えないこともない。この際そんなことはどうでもいい。ぼくは何と言ってもパッケージに一目惚れしてしまった。

 
 
 

ああ、酔狂にも全商品を揃えてずらりと並べてみたい(まんまとマーケティングの罠にはまっているような気もするが)。いろいろ探してみたけど、日本から買えるサイトは見つからなかった。Lafco New YorkのE-SHOPもアメリカ大陸以外からは買えないことになっている(何でだー!)。ま、ある意味、買えなくて良かったか……。

でもね、ホントに見事なパッケージ。どういうセンスなんだろう、ポルトガルのデザインって。素晴らし過ぎます(by 村西監督)。ノーマークだっただけに、驚きもいっそうだ。機会があればここのグラフィックデザインを紹介したいと思う。デザイナーは誰なんだろうか。モザイクタイルのパターンを思わせる図柄もある。基本的にはアールデコパターンの翻案のようだ。ちょっとクラシカルなロゴ&パターンは、L'OCCITANEやJAQUAなどのパッケージもそうだけど、ここのはデザインのレベルがほかとはちょっと違う。それぞれのラベル(香り)に、石けん、キャンドル、リキッドソープ、バスソルト、シアバター・ローションなどのプロダクツがラインアップされている。そのうち日本にも上陸しないだろうか。ポルトガルの石けんメーカーって売れそうな気がするんだけど。ちなみに今使っているMUSGO REALのパッケージはこんな感じ。飾り気がないけど気持ち良いラベルだと思う。

        

ちなみにMUSGO REALのシェービングクリームは、ぼくが敬愛するドイツのセレクトショップMANUFACTUMでも扱っていた。実は、いかにも石けん少女風の「石けん」の匂いが少々苦手だったりする。それがグリセリン石けんを使ういちばんの理由かも知れない。


Tile Designs from Portugal

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  • 作者: Pepin Press
  • 出版社/メーカー: Pepin Pr
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: ペーパーバック



ススメ!石けん生活

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  • 作者: 森田 光徳, ススメ!石けん生活製作委員会
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎メディアコンサルティング
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 単行本


記事がどうしようもなく長くなったので、二つの分けました。
http://blog.so-net.ne.jp/hashiba-in-stuttgart/2006-10-06-1


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コメント 4

三ケ田朋美

ご無沙汰しております。
お元気そうですね。
タロウさんのmixiから辿り着いてしまいました。
CLAUS PORTとても素敵なパッケージですよね。
グリセリンソープはあったかわかりませんが、銀座松坂屋の地下にあるファインリファインという店でBATH FORMというのは販売していましたよ。
先日バスグッズをリサーチ中にパッケージが素敵だったのでよく覚えています。
参考までに・・。
では、またちょくちょく覗かせて頂きますね。
by 三ケ田朋美 (2006-10-06 11:08) 

hsba

三ケ田さん、こんにちは。お久しぶりです。
ぼくは今、何とかしてCLAUS PORTのプロダクツを入手しようと、ヨーロッパのトイレタリー通販サイトを片っ端から当たっているところ。でもやっぱり買えないみたいです。残念。ちなみにグリセリン石けんは東急ハンズやドンキホーテにも売ってるんですけどね。ファインリファインはまだ行ったことがないので、今度覗いてみます。
by hsba (2006-10-07 02:04) 

ando

橋場さんこんにちは。
先日のパーチー楽しかったです。ありがとう。
CLAUS PORT、六本木ヒルズのエストネーションで見ましたよ。
私もパッケージに惹かれました。長い時間ながめてたけど結構高かったような記憶が…。
しかし、東京にはなんでもあるねー。

http://www.estnation.co.jp/app/brand/detail?div=1&brdid=545
by ando (2006-10-07 11:31) 

hsba

andoさん、先日はどうも。
ホントだ。エストネーションで売ってるよ。びっくり!
何でもあるなあ、東京って。
Korresも11月からエストネーションで販売開始なんだけど、安過ぎて客層が合わないんじゃないかと思ったり。ウェブサイトで取り扱いトイレタリー&コスメのラインアップみたら、セレブリティ価格のブランドばかり。CLAUS PORTはアタマ抱えるほど高い商材ではないんですけどね、調べてみると東京価格は確かにすごく高かったです。まあ仕方ないんでしょうね。
by hsba (2006-10-11 02:19) 

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