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アルミナムサイドチェアキャスター付き [デザイン/建築]

事務所のアルバイト席用の椅子に、KEVIの赤や黄色を探していたが、残念ながら見つからなかった。結局、イームズのアルミナムサイドチェアの中古品を買う。張り革は白。KEVIはアームなしがキレイだけど、アルミナムシリーズはアーム付きのほうがバランスが良いと思う。でも幅やアームの高さを考えるとテーブルへの収まりが悪そうなので、シンプルなサイドチェアにした。バーチのテーブルに意外に合っている。端から見るとこぢんまりとしているようだが、思っていたより座面が大きかった。

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アルミナムシリーズはオフィスでよく使われているけど、もともとは住宅用にデザインされたものだ。回転椅子は住宅でもなかなか勝手が良い。キャスターがあるともっと便利。日本の人間工学の草分けで、千葉大工学部長を務め現在は名誉教授の小原二郎さんは、ご自宅のダイニングでキャスター付きのワークチェアを使っている。高さの調節ができ、座面が回転するので座りやすく立ちやすい。何より座り心地が良い。そういうわけで小原さんは食卓に回転椅子を使うことを推奨しておられた。確かに合理的だ。座ったままキャスターを転がして、醤油をとりに行ったりもできる(これは横着かな)。インテリアデザイナーの往蔵稲史仁さんは、以前、渋谷の居酒屋の大テーブル席にオフィス用のワークチェアを合わせていたことがある。ちょっと不思議な光景だったけど、使い勝手はすごく良かった印象がある。お店のスタッフの方も椅子の移動が簡単なので掃除がしやすいと言っていたし。これはスゴいアイデアだと思ったけど、その後、そんな店はできないですね。たぶん椅子の値段が高過ぎるんだと思う。

ずいぶんと前の話ですが(たぶん15年以上前)、東洋大学工学部の高橋儀平教授と渋谷の街を車椅子で回ったことがあった。バリアフリーという言葉が専門誌でやっと使われ始めた頃のことだ。高橋教授は建築と都市のノーマライゼーションの専門家である。ビジネスホテルの車椅子対応の部屋を見せていただいたり、ぱちんこ店に入ってみたり、レストランで食事をしたり、研究室の学生が一日、渋谷の街を車椅子で体験した。お店の商品はたいてい台車で納品される。その台車が通る通路があれば、車椅子でも進むことができたのは意外な発見だった。でもやっぱり不便なことのほうが圧倒的に多い。車椅子用トイレがあるのに段差がある例もあった。一段くらいなら何とかなると思ったんだろうか。車椅子は段差があるともうどうしようもないのに。今は当時よりは改善されているんだろうな。たまたま貸していただいた車椅子がとても高性能で快適だったこともあるけど、不謹慎ながら、ぼくは一般の人も日常的に車椅子を使えばいいのにと思った。荷物も安全に運べるし自転車よりも安定している。車椅子が一般にまで普及すれば、バリアフリーとかノーマライゼーションとか、声だかに言わなくても、街が自然に車椅子社会に対応していくんじゃないかとその時は考えたものだ。そうなると価格も下がるし、改良も進むはずだ。手始めにオフィスチェアを車椅子にすれば良い。車椅子が特別なモノでなくなれば良いのにと思った。実は今でもそう思う。映画やテレビのロケの現場では、モニターや電源を運ぶために折りたたみ式の車椅子がフツーに使われている。



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