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小児喘息/ダイソンの掃除機 [その他]

インターネットのニュースを読んでいたら、2005年度は喘息の子どもの割合が幼稚園、小中高校いずれも過去最高だったことが文部科学省から発表(学校保健統計調査速報)されていた。小学校は10年前の2.4倍だ。自分も物心つく前から最近まで長年喘息を患っていたので、喘息の苦しさはよく分かるし他人事ではない。ぼくの場合は40歳の時、二型糖尿病治療の食餌&運動療法のおかげで喘息や花粉症まで緩解した。これは予期せぬ副産物という感じで本当にラッキーだったと思う。それまではどこに行くにもβ2刺激吸入薬を手放せず、薬がなくなることが不安でしょうがなかった。でもここ3年間くらいβ2刺激薬をほとんど使っていない。緩解の理由は食生活を改めてことだけではなくて、ダイソンの掃除機を使うようになったことも大きいと思っている。ちょうど、それまでのカーペットや畳の部屋から木製フローリングの部屋に引っ越して、ダイソンの掃除機を使うようになり、まず喘息の症状が飛躍的に改善されたのだ。

ダイソンは、たぶんマーケティング戦略なのだと思うけど、雑誌編集者やオピニオンの人たちに無償で最新式の掃除機を貸与している(というかプレゼントしている)。だからダイソンの新製品発表会の翌日のYAHOOオークションには大量のダイソン製掃除機が出品される。発表会の帰りにプレゼントされる新製品を、心ない編集者はすぐに売りさばこうとするわけだ。掃除機をもらったからと言って、そのお返しに好意的なPR記事を書く単純な編集者はいないと思うけど、それでも悪い記事は書かなくなるだろう。数年前、橋場宛に会社にサンプルとしてダイソンの掃除機が届けられたことがある。その新製品はそのまま会社に残し、ぼくはヨドバシカメラで値引き品を自腹で買って使っていた。だからダイソンの掃除機が他のメーカーのものより値段が高いことも分かるし、その値段に相応の製品かも自信をもって書ける。というわけで、ぼくが書くのは製品PRではなくて一ユーザーの声です。

で、自信をもって書けることと言えば、ダイソンの掃除機は素晴らしいということ。ぼく個人にとっては人生最高の家電製品だと思う。今やダイソン以外の掃除機は考えられない。「褒め殺し」になると困るのでこのへんで止めておく。この掃除機はゴミを溜めるシリンダタンクが透明なので、吸い込まれたゴミが目で見えるのがポイントだ。実際に使ってみると綿ボコリだけじゃなくて、もっと細かいうどん粉のような微細な粉体までしっかり捕らえているのに驚く。試しに水拭きをした後の床でも使ってみたが、それでも何か細かな塵を吸い込んでいる。ベッドや布団で試してみると、同じようにホコリとは言えない黒い微粒子が中でふわふわ回っている。その微粒子がシリンダー内に残ったものを見ると小さじ一杯分くらいあった。夏場に窓を空けていた時に入り込んだ排気ガスの粒子ではないかと思う。

ぼくは、それまで使っていたP社の掃除機とあまりに性能が違うのにびっくりしてしまった。この掃除機で毎朝掃除するようになって、少なくとも自分の部屋では喘息の症状は出なくなった。自分のアレルギーの原因がハウスダストなのは前から分かっていたのだが、ぼくは、それは目に見える塵やホコリのようなものだと思っていた。でも本当はダイソンの掃除機が吸い込んだ細かな粉のようなモノなのだったのだと思う。なぜなら、掃除機内のゴミを捨てる時にふわっと舞い上がる煙みたいなものを吸い込むと、くしゃみと鼻水がしばらく止まらなくなったからだ(それからはマスクを着けて捨てるようにした)。煙のように見えたのは掃除の際に吸い込まれた微細な粒子だ。これが原因だったのか。ダイソンの掃除機を使っていなかったら、ぼくはふわふわの綿ボコリがアレルゲンだと誤解し続け、それだけを掃き取り、未だに喘息で苦しんでいたかも知れない。アレルギーの原因が目で見えるというのがダイソンの掃除機の素晴らしいところだと思う。

この掃除機のデザイナーでありエンジニアであもあるのはダイソンCEOのジェームズ・ダイソンJames Dyson 。彼の掃除機を最初に商品化したのは日本のシルバー精工 SILVER REEDだった。商品名は「Gフォース」。発売当時はあまりの吸引力に畳を痛めるという心配の声もあったそうだ。初代「Gフォース」は今やデザインミュージアムアイテムになっている。同社の関連会社サイクロン・ジャパンでは今でもファインサイクロンという掃除機を出しているけど、ダイソンとの関係が続いているのだろうか。ダイソンの成功の後、日本の家電メーカーもこぞってサイクロン式の透明シリンダ掃除機を発売したけど、猿真似っぽさが否めないのが悲しい。それをダイソンの社員に話したら「性能がぜんぜん違いますから」と気に止めていなかった。ユーザーとしても頼もしい言葉だった。

Dyson サイクロンクリーナー アレルギー DC12plus

Dyson サイクロンクリーナー アレルギー DC12plus

  • 出版社/メーカー: Dyson (ダイソン)
  • メディア: ホーム&キッチン


Dyson サイクロンクリーナー エントリー DC-12

Dyson サイクロンクリーナー エントリー DC-12

  • 出版社/メーカー: Dyson (ダイソン)
  • メディア: ホーム&キッチン


Dyson ハンドクリーナー DC16SY root6

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  • 出版社/メーカー: Dyson (ダイソン)
  • メディア: ホーム&キッチン



http://www.dyson.co.jp/

喘息の原因は、遺伝やストレスなどの精神的な問題だと言われたこともある、それも否定できないけど、基本的には抗原抗体反応がほとんどなので、自分でできる対象方法はアレルゲンをいかに遠ざけるかだと思う。ハウスダストが原因なら、床にカーペット(対策済みのカーペットもあるが)を敷いたり、布張りソファを掃除しないで使うのは自殺行為と考えたほうがいい。畳も毎日ちゃんと掃除機を使う。煙(タバコやお香)や匂いの強いルームコロンもできるだけ避けたほうがいい。それが発作の引き金になることもあるからだ。ぼくは子どもの頃、シャクヤクの花の香りで突然呼吸が苦しくなったこともあった。また、家の中で動物を飼うのも避けるべきだ。子どもは親が用意する環境で暮らさなければならないのに、子どもが喘息でも親が平気なら、こうした問題には無関心で喘息患者にとっては地獄のような生活環境をつくりあげてしまうことがある。これは本当に問題だ。入院すると症状が良くなって、家に帰るとまた酷くなるのを、子どもの甘えとか心の問題にする向きもあるが、ほとんどの場合は家庭内の生活環境に問題があると考えたほうがいい。何より、ちゃんと掃除することで相当良くなるはずだ。掃除機は高くても高性能なほうが良い。
ぼくは子どもの頃から喘息だったから、喘息発作で呼吸が苦しい時は、どうすれば最低限の「息」ができるのかは経験と体で学んできた(例えば横隔膜と腹筋を意識して使う)。重い発作ではちゃんと意識して呼吸をしないと息ができなくなる。成人になってから突然喘息になった人は、この呼吸方法が分からずに、あっという間に酸欠で亡くなるのだと医師から聞いたことがある。アレルギーを甘く見てはいけないということだ。

今日、シュツットガルト歌劇場でフェルッチョ・ブゾーニのオペラ「ファウスト Doktor Faust」を観た。ドイツのオペラ専門誌「オーパンヴェルト Opernwelt」で、04/05シーズンの最優秀上演と最優秀舞台装置(アンナ・フィーブロック Anna Viebrock)を受賞した作品だ。演出はヨシ・ヴィーラー Jossi Wielerとセルジョ・モラビト Sergio Morabito。ハノーバー在住のジャーナリストの方から、もしシュツットガルトで再演があれば見逃してはいけないと言われていたオペラだ。そもそも「ファウスト」が上演されること自体が珍しいことなのだそうだ。これは貴重な体験だった。このインプレッションは明日の記事に書きます。


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ちぇぶらさん

 こんばんは。(^_^) アレルギーはあなどれないですよね、先日のアメリカの記事で、ピーナッツアレルギーの女の子が、それを知らないでピーナッツバターのサンドイッチを食べていたボーイフレンドの男の子とキスをしたのが原因で、ショック症状を起こして亡くなってしまったというのを読みました。信じられない話ですが、ハチにさされてショック症状で亡くなる方もいますよね、ホントにコワいです。私の友人はソバアレルギーなのですが、ときどき、うどんを頼んでも、ソバと同じ茹で器で作っているものを食べると大変だと言ってました...、ホントに大変です。シュツットガルト歌劇場には何度か行きました、そうですかいいですね、私はFaustがとても好きなので、記事を拝読するのを楽しみにしています。
by ちぇぶらさん (2005-12-10 21:31) 

ao

はじめまして。関連記事から飛んできました。
私も喘息で、このダイソンの掃除機の購入を検討しています。
しかしこれ、お値段もですが、音がすごくうるさいと聞いたのですが、実際いかがですか?
クリスマス頃に引越しをするのですが、今度の新居は喘息の私には大敵な絨毯張りなお部屋なので、いよいよ購入すべき時が来たかなと。
しかも私は喘息なのにアレルギー原でもある猫を飼っています・・・。
私も子供の頃からの喘息なので、発作が出る予感や、発作時の呼吸法など心得ているつもりなのですが、今後もアレルギーと上手に付き合っていくためには自分自身がいろいろ気をつけなきゃいけないなと。
やはりこの掃除機、思い切って買っちゃうかな・・・。
他の記事も拝読させていただきましたが、とても興味深いお話が多く気に入っちゃったので、RSSさせてくださいませ♪
by ao (2005-12-11 12:11) 

hsba

ちぇぶらさん、コメントありがとうございます。アレルギー症状にもいろいろあってアナフィラキシーの人は本当に大変そうです。命にかかわることですから。でも世の中ではそんな酷いアレルギーがあるなんて、あまり知られていなくて、食物アレルギーはジンマシンかお腹を壊す程度だと思われています。ぼくの知人でも蕎麦のアレルギーの人がいて、もしもの時のために、いつも強心剤のペン型簡易注射器を携帯しています。パンケーキにわずかに入っていた蕎麦粉でショック状態になったり、蕎麦屋の近くを歩くと空気中に漂う蕎麦粉が原因で症状が出る場合もあると言っていた。量は関係ないんですね。海外旅行でも苦労するそうです。誰でもある日突然なる可能性があるので知識は持っていて損はないと思います。

aoさん、初めまして。ダイソンの掃除機は確かにうるさいですよ。あと、ぼくが使っていたDC08は大きくて邪魔(DC12は少しコンパクトになりました)。ある時は掃除機のスイッチを入れるとブレーカーが落ちたこともあるので消費電力も大きいのかも知れない(詳細は分かりません)。でも、それでもその性能には代えられないです。購入検討中の人には1台レンタルして、短期間試用できるサービスがあると良いのですが。ぼくの場合はダイソン掃除機を使った効果はてきめんでした。喘息は自己管理が大変ですよね。これからの季節は風邪を引かないように気をつけてください。
by hsba (2005-12-11 21:11) 

こぽちママ

橋場さん、お久しぶりです。
ダイソンの掃除機が物凄く欲しくて・・・夫には、なかなか理解してもらえず、悲しい日々を過ごしております。
私の頭の中は、ダイソンの掃除機の事でいっぱいでした。
橋場さんが、細木数子さんに思えてしまいました。
by こぽちママ (2005-12-13 13:50) 

hsba

「あんたダイソン買わないと死ぬよ。ホントに」(細木数子)ってか。
ダイソンは高いからねえ。ぼくはヨドバシの安売りで買ったけど、すごい値引きして国産掃除機の2倍の値段だった。それでもぼくの周りでは「買って満足」という人がほとんどですから。サンプルを貸し出してくれるといいのにね。あと、中古で探すのも良いかもしれません。新品だから性能が良いという製品ではないので。家のダイソンの掃除機はドイツに来る前に別の人にあげちゃったからなあ。日本のサイクロン式掃除機ってどうなんでしょうね。どれも安いけど。やっぱりダイソンの人が言うみたいに性能面では劣るのかな。
by hsba (2005-12-14 08:13) 

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