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市営保育園の建築 [デザイン/建築]

ぼくが滞在しているシュツットガルトの北西、ソリチュードからルードヴィヒスブルクに真っすぐに伸びる道を北東に下っていくと、貸し農園や小麦畑、牧場が広がるのどかな田園風景の木立の中に、マティアス・タスカーとアンドレア・ストゥラーレ Matthias Tusker und Andrea Ströhleが設計したモダンな市営保育園 Städtische Tageseinrichtung für Kinderが見えてくる。二人は地元シュツットガルトの建築家だ。少しだけ西側に移動すると隣町ゲーリンゲンに入ってしまう、シュツットガルトの郊外。竣工は2004年。7年前に初めてソリチュードを訪れた時に既にあったと思うのだが、調べてみると2003年の着工だったのでぼくの勘違いだったのだろう。真南に向かってガラスカーテンウォールで開口を大胆に採り、夏場は、保育室への直射日光を巨大なオーニングで遮る。たぶん日没ぎりぎりまで十分な自然光が入るはずだ。大きな庇と大きな開口部を持つ日本家屋の採光方法のようだと思った。ガラスを多用したのは、子どもがどこにいても一目で分かるようにする目的もあると思う。メインの入り口がある北側正面は角材のルーバーで覆われていた。全体的にちょっとオランダの現代建築っぽい。チークのような色合いの開閉用木製サッシュと亜鉛メッキの階段が建物のアクセントになっている。こういうプランの集合住宅も面白そうだけど、部屋の中が丸見えだと誰も住まないか。



Städtische Tageseinrichtung für Kinder, Solitudestrasse 51

保育園では今年の雪解けから間もなく、附設グランドの工事が始まり、先日やっと終わったばかり。フットサルコートと小さな遊技場ができていた。夕刻に近くを通ると、子どもを迎えにきたクルマの列がすごい。そのほとんどがメルセデスベンツなのは、この街がダイムラークライスラーのお膝元だからだろう。
ドイツに暮らす70代以上の人々はベンツに良い印象を持っていないという話を聞いたことがある。戦後、食料不足で多くのドイツ人が苦しんでいた頃、この時代にがめつく財を築いた食料品店の店主の多くは、当時メルデセスベンツの大型セダンを乗り回していたからだそうだ。子どもの目にも何かおかしいと映ったのだろう。特に弁護士や学者は今もベンツに乗らない人が多いらしい。単純に食べ物の恨みというわけではないようだ。もちろん戦後生まれの若い世代はそんなことは気にしていない。

子どもたちの100の言葉―イタリア/レッジョ・エミリア市の幼児教育実践記録

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  • 作者: レッジョチルドレン
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 2001/05
  • メディア: 大型本


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