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旅する自由/阿部雅世さん/香り [旅/ホテル]

タイの漫画家、アニメ作家、ミュージシャンのウィスット・ポンニットの本を改めて紹介。よしもとばななさんが帯にこんなことを書いている。
「タムくんのマンガを読むとき、”私は何回でも飽きずに眺め、何回でもオイオイ泣いてしまう。あたりまえの人生のいろいろがあるだけなのに、どうしてだろう。」
どれもおそらく誰もがどこかで経験してきた記憶だと思うのだが、そんな半ば忘れ去られたような思い出に、きっと大切なことがたくさん詰まっているのだ。広大な世界観を表現するアートも素晴らしいけど、もっと小さな、自分の生きてきた記憶と場所の中でかすかに響き合うような、ささやかな表現に心が惹かれるのはなぜだろう。ひとりで静かに読みたい、ホントに心に染みる良い本です。

everybodyeverything

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  • 作者: ワチラポーン リムビプーワッド, 木村 和博, ウィスット・ポンニミット
  • 出版社/メーカー: マガジン・ファイブ
  • 発売日: 2005/02
  • メディア: コミック



明後日からスイスのチューリヒに行きます。このデザインイベントを見にいく予定。
http://www.neueraeume.ch/
マルチリンガルの国のイベントのサイトなのにドイツ語だけ?。

まず、電車とホテルを予約した。こういう時にはネットが本当に便利。ただしスイスではユーロが使えない(通貨はスイスフラン)。スイスは永世中立国なので、何者かの影響下で中立国の地位を保てなくなることを避けるためEUには加盟していない。でも2002年に国連には加盟した。EU加盟については2008年頃の国民投票で是非が問われるようだ。かつてはドイツ、フランスの大国に挟まれ両国の西ヨーロッパ覇権争いに巻き込まれないための永世中立国でもあったと思うのだが、今やドイツもフランスもEUという運命共同体。結果、孤立への焦燥がスイスを国連加盟という選択に向かわせたのだと思う。原理原則に縛られず実利を選び採るのもスイスらしい。
いずれにしてもスイス旅行はスイスフランへの両替が面倒だ。でもつい5年前までは、旅行=両替が当たり前。ユーロ以前のヨーロッパ旅行では国境を越えるたびに現地通貨に両替していた。昔、デンマークのコペンハーゲンからパリまでノールエクスプレスというアルテシアナイト(夜行列車)に乗ったことがある。途中、ドイツのアーヘンで車両変更のため一度ホームに下ろされた時、喉が渇いたので売店で水を買おうとしたら、デンマーク・クローネとフランス・フランの小銭と日本円しか持っていなくて売ってもらえなかった。今はもうそんなことはないんだな。ユーロってホントに便利だ。

ミラノの阿部雅世さん(まもなくベルリン移転)は、EUROとEASY JETがヨーロッパ域内の人々の動きを明らかに変えたと言っていた。EASY JETというのはヨーロッパの格安航空会社の代名詞的企業。この成功に触発されてヨーロッパ各国で多くの格安航空会社が誕生していて、航空運賃は日本では考えられないほど安くなっている。鉄道を使うよりは確実に安い。前にぼくがベルリンに旅行した時に利用したのはGermanwingsというドイツの格安航空会社で片道30ユーロ以下だった。早めに予約すれば0ユーロという信じられないチケットもある(空港使用料は別途)。確かに両替不要のユーロと格安航空運賃が、EU内の人の移動を容易にしたことは間違いない。ドイツ人も気楽に国境を越えてオランダやフランスに買い物に出かけている。
さらに付け加えるなら、インターネットカフェ(またはポータブルPC&無線LAN)とHotelclub.com。明日の旅先の宿泊を、インターネットを使い直前最安値でいくつものホテルから選ぶことができるなんて、昔は考えられなかった。旅行の前にホテルをあらかじめ予約してしまうと、その予定に合わせて行動しなければならない。でも海外で行き当たりばったりの旅は不安だ。今は直前に次の宿泊先を格安で決めて、気分に任せて気ままに旅をすることが可能になった。ある意味、旅行革命が起きていたのだ。ヨーロッパで暮らして、その恩恵を受け、「旅」が変わっていたことにやっと気がついた。EUの人々は21世紀に旅する自由を手に入れたわけだ。こんな素敵なことがあるだろうか。旅をすれば、外国に友人ができて、異文化交流も盛んになるし国際理解も深まる。国同士では未だにぎくしゃくしているところもあるけれど。

Flying Cheap! ヨーロッパの格安航空会社ガイド(日本語) http://europe.s9.xrea.com/index.html

旅の思い出
ミラノから大久保 http://blog.so-net.ne.jp/hashiba-in-stuttgart/2005-02-12
アエロフロート http://blog.so-net.ne.jp/hashiba-in-stuttgart/2005-04-18

阿部雅世さんがドイツの「Architektur & Wohnen(A&W)」という雑誌のArchitecture & Wohnen Mentor Prizeを受賞したそうだ。この賞は、同誌のDesigner des Jahresに選ばれた人が、さらに次世代のデザイナーや建築家に贈るもの。Designer des Jahres 2005のガエタノ・ペッシェ氏 Gaetano Pesceの推薦。これに伴い、「A&W」誌上で阿部さんの特集が組まれるそうである。前にも書いたけど、阿部さんはベルリン芸術大学の教授に着任して、間もなくミラノを離れベルリンに移り住む。自力で探した転居先の集合住宅というがオスカー・ニーマイヤー Oscar Niemeyerの建築。さすがイタリアの不動産刑事(デカ)。仕事はきっちりだ。それにしても、やっと阿部さんの大切な仕事がちゃんと評価される時代になったのだ。ドイツのデザイン界の未来は明るい。ちなみに日本が誇る不動産刑事、西堀晋さんは今はアメリカ西海岸にいて、世界に誇る仕事をしている。

「A&W」website http://www.awbooks.com/pan/AuWsite/NAV/awmai.htm
「Masayo Ave creation」 website http://www.macreation.org/

昨日コメントの書き込みがあったtamirinさんへのお返事。

ドイツのアロマオイル事情

ぼくがよく買い物するBIOのディスカウントスーパーにはエッセンシャルオイルコーナーがあって、このコーナーだけほとんど化学実験室状態。スポイトやビーカーなども売っている。実際に買っている人はあまり見たことがないけど、これだけちゃんとした売り場があるということは、エッセンシャルオイルの利用はドイツ人にはなり浸透しているののではないだろうか。そういえば先日、風邪を引いたと言ったら、アカデミーのスタッフから「カモミールのスチームが良いよ」とアドバイスされた。さらに、ぼくが大好きなセレクトショップMANUFACTUM.にもガラス製のネブライザー(吸入器)や、エッセンシャルオイル用の器具がいくつか置いてある。ぼくの印象では民生品という感じではなく、ほとんどプロ向け医療器具のようなデザイン。どれも「かわいい」感はゼロ。日本ではアロマオイルというと女性的なイメージがあるけど、ドイツではもう少し幅広く受け入れられているように思った。

シュツットガルトの市場「マルクトハレ」の2階(メザニン)にはインテリアショップがあって、この中にL'OCCITANEのインセンスコーナーがある。ぼくはここで袋入りのお香を買っている。ぼくは料理もスパイスの本を読んでから、自炊することが好きになった。料理(スパイス)も香水もアロマオイルもお香もお茶もお酒も、その時の自分に足りない気分を「香り」で補うことだと考えている(ひょっとしたらタバコもそうなのかも知れない)。身体と香りの関係はそれくらい深いと思うのだ。アロマテラピーも説得力がある。香水やコロンも、他人に対するエチケットではなくて自分自身のためにつけるものだと思っている。だからコロンは自分だけのための香りで、ほかの人には気づかれなくても良い。日によって違う香りをつけるのも当然だと思う。

スパイスのことを知ると料理に対する考え方が変わります。まず入門編。

おいしさの神秘スパイス大研究

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2001/06
  • メディア: 単行本


スパイス名人宣言

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  • 作者: 平松 洋子, 朝岡 勇, 朝岡 和子
  • 出版社/メーカー: 雄鶏社
  • 発売日: 1996/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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コメント 3

ありがとうございます!!
値段が気になりますね・・・
ラベンダー10mlでいくらぐらいなんでしょうか?
日本なら、2500円くらいが相場なんですが・・・
風邪引いたら「カモミール」ですか・・・それも一理あるとおもいますが、日本なら「ティトリー」か「ユーカリ」って言う意見が多いと思います。
欧州の使い方と結構違っているようですよ。。。おもしろいですよね!!
by (2005-11-06 17:43) 

branzino

ななんと、橋場さんのブログでタムくんの話題がでるなんて。
高校大学と一緒だった友人が、ウィンスポンニミット(タムくん)の漫画にも連名で名前の出ていた彼で、学生の頃にタムくんの漫画とか出来立てほやほやの動画とか一緒に見ていたので。。

前にグラフでやったタムくんのイベントに行ったんですが、迷路じかけのインスタレーションよかったです。久しぶりに会ってぜんぜん変わってないからそんなものか。と変に納得してたんですが、ちょうど横浜トリエンナーレでもイベントしているし、今はタムくんもそいつも忙しそうにしているし、有名になったなー、と思っていた矢先でした。

こういうふうに間接的につながるとびっくりします。
by branzino (2005-11-07 22:17) 

hsba

tamirinさん、こんにちは。次に買い物に行った時に値段をチェックしてみます。やはり育った環境によって香りに捉え方や嗜好が違ったり、香りから受ける影響も少しは地域差があるのでしょうか。

branzinoさん、ぼくは彼のマンガや作品は雑誌「Luca」で連載をお願いしていた澤文也さんの情報を通して知りました。この本も澤さんにいただいたものです。読んでいると、彼と友人になったように思ってしまうくらい、すーっと入ってくる不思議な本でした。
by hsba (2005-11-29 10:14) 

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