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Tiara [食事]

神様はイタズラ好きだよね。
神が与えし試練って、半分くらいはその「イタズラ」なんじゃないかと思う。

渋谷駅の東急プラザ側の出口の上にはベルギーワッフルの屋台みたいな売り場があって、老若男女がいつも行列している。日頃ぼくは中野駅行きのバスに乗るためにその先の階段を下りることが多い。階段の手前には東急の立ち食いソバの店がある。その日の帰り道、小腹がすいたぼくは、ここでもりそばを食べることにした。ワッフルを焼く甘い匂いの中で食べるソバって何となく微妙、と思いながらぼくは一人でつるつるソバを食べてた。その真向かいにはスーツ姿の中肉中背50歳くらいのお父さんが、汗をかきながらかき揚げソバを食べている。そのオヤジはムダにまつ毛が長くて、広過ぎる額が特長だった。熱いソバを食べてるからだと思うが、男はかなり汗をかいていて、片手には常にハンカチ。そのハンカチで額をぬぐった瞬間、この小さな事件は起こったわけだ。

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あなご [食事]

少し前の話になるけど、廻ってないのにクオリティと価格は回転寿司とほぼ同等という、かなり微妙なお気楽寿司屋に一人で入って夕食を食べた。場所は秋葉原。なぜか両隣はレースクイーンみたいな素敵な女性と既婚の中年ビジネスマンという組み合わせだ。どんなこと話しているのか、ちょっと気になって、器用にも左右交互に盗み聞きしたんだけど、どちらも、売り場での新製品のキャンペーンがどうこうとか、なんとか部長はホントにいい人……とかいう湿度ゼロの砂漠会話で、今時の「LEON」読者が意外に淡白なので驚いたりした。女性は量販店でミニスカはいて笑顔でサンプル配ったりしている人たちなんだな、たぶん。仕事の話の後は、お決まりの自慢話に突入なんだが、中途半端な美女を前にして口説くきっかけを失っている様子。そのうち言うに事欠いて「昨日の夜、シャンプーとリンスを間違えちゃってさあ」みたいな円熟の面白話が出てくるんじゃないかと個人的にはハラハラしていた。

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済南賓館 [食事]

ドキュメンタリストの瀬戸山玄さんに教えていただいた、中国の伝統的な山東料理を出す料理店「済南(チーナン)賓館」に行く。山東料理(魯菜)は現在の北京料理のルーツ(北京料理は魯菜の一部)。魯菜は中国最古の料理書「斉民要術」にも記されているそうだ。しかし文化大革命の際、中国伝統料理のレシピのほとんどは捨てられてしまった。だから現在の中国料理の多くは、文化大革命以前とは別の料理と言っていいだろう。「済南賓館」を経営する佐藤夫妻は、戦前に生まれ、第二次大戦後の1948年に日本に引き上げるまで、中国山東省の済南で暮らしていた。その当時、佐藤孟江さんは伝統的な山東料理を済南の名店で学んだ。帰国後、文化大革命が起き、中国で伝統山東料理を受け継ぐ者はいなくなり、日本に戻った佐藤さんが数少ない正統魯菜の継承者となる。近年は逆に中国政府から招聘され、中国の料理人を指導する立場となった。中国政府認定特級厨師、山東省認定「正宗魯菜伝人」でもある。

「済南賓館」は、火曜日から金曜日までの営業(祝日は閉店)で、営業時間も午後6時〜9時までの3時間。完全予約制のお店だ。テーブルに着くと、干豆腐、ピータン入り卵焼き、キュウリの漬け物、ブタのタンと耳、鳥挽肉に蝦の子を合わせたモノなどが前菜に出て、その後は、湯葉の巻揚げ(椎茸、海老、鮑入り)、回教徒料理の里芋のミルク煮、もやしと鮭の炒め物、クコの実が入った蟹豆腐、豚肉の揚げ煮、海老チリ、小龍包みたいな水餃子、中国北部のお新香の混ぜゴハン。最後にナタデココとアンズの小皿が出て終了。

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夏のカレーと映画新旧5題 [食事]

朝からカレーをつくる。カレーってどんな風につくっても美味しいけど、自分で食べるカレーは自分でつくるのがいちばんウマいと思う。インドカレーやタイカレーじゃなくて普通の洋食カレーです。

冬場は白菜(や大根)でカレーをつくることが多いのだが、今の季節はタマネギと新ジャガイモとベーコンだけ、激辛で超シンプルにつくる。たまにはキノコやアスパラガスを入れることもあるけど、煮込むのはタマネギだけ。
最初に大量の生姜のみじん切り、ニンニクのスライス、クミンシード、コリアンダーシード、赤唐辛子をたっぷりのオリーブオイルで炒める。それから大ぶりのタマネギ約4個をざく切りにして炒める。ちなみに分量は4〜5皿分。タマネギがクタクタになりペースト状になるまで火を通す、と言うより油で煮るような感じ。クタクタになったら料理酒を振りかけて、500CCトマト缶を入れて、缶を野菜ジュースで濯いで、それも加える。あとは適当にハーブを加えて弱火で炊いていく。アクを軽くすくって、市販の辛口固形カレーを溶かして、さらに煮込む。アニスのお酒がある時は途中で加えるとさらに美味しくなる(ような気がする)。
新ジャガイモは小さければそのまま、もしくは半分に切って、少しだけ電子レンジで加熱して、バター少量とざく切りのベーコン、大量の黒こしょうと一緒にフライパンで炒めて、ジャガイモにベーコンの味をしみ込ませる。この時にトマトやタマネギ(煮込み用とは別)を一緒に炒めてもいい。あまり動かさないで表面に軽く焦げ目をつけながら、じゃがいもの中までしっかり火を通す。この中にローズマリーを入れても美味しそうだけど、まだ試していない。
で、フライパンでこんがり焼いたジャガイモとベーコンをカレーの鍋に入れてさっと合わせてできあがり。ジャガイモを入れてからはあまり煮込まない。味が濃い場合は野菜ジュースで調整する。仕上げに発酵バターを大さじ一杯くらい入れる。アスパラガスやキノコもフライパンで焼いて、しっかり塩味をつけて、最後に混ぜ合わせる。タマネギ炒めに少し時間がかかるだけで、それ以外はスゴく簡単。以上。

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ドイツ料理は美味しいか。 [食事]

今日(実際は一昨日)のランチは知人と「ツム・アインホルン」のドイツ料理。
朝から夏のような陽気で、午後の仕事のアポイントメントは夕方なので、今日のお昼はホワイトアスパラガスとシンケンと冷やしたロゼワインだ、と期待に胸を膨らませていたのだが、残念ながらドイツ料理じゃなくて普通のファミレスのランチメニューみたいだった。しかもメニューにはビールもワインも載っていない。ぱくぱく食べさせて客回転数を稼ごうとしているのだろうか。サービス係のコメントを聞いて、シュニッツエルだと思って注文したら焼き肉定食で気分的には撃沈。前日ウェブサイトをチェックすると本格的な南ドイツ料理が並んでいたけど、たぶん、あれは夜だけなんだな。サラダの味付けは確かにドイツ風。料理にはしゃきしゃきのインゲンとあらかじめ茹でてあった平打ちの軟弱パスタが添えられていた。せめて付け合わせが茹で過ぎてくたくたのインゲンとうにゃうにゃのスペッツエレだったら、同じ「ダメ」でもドイツっぽかったのだが。と文句ばかりですが、知人と久しぶりの会食で食事の席は楽しかった。「ドイツ料理」じゃないモノを食べていると思えば、ひさびさに充実のランチタイムだ。

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