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「ホント忙しいのよ」 [生活雑感]

先日、3時過ぎ、郵便局に行く途中、自転車を押して歩く奥様二人連れとすれ違う。
ぼくのアパートの近くには「羽衣湯」という、サウナや露天風呂がある大きな銭湯がある。唐破も格天井もないシリンダー形の現代銭湯で、エントランス休憩コーナーの蔵書はマンガ喫茶なみに充実しているのが特長。夜半の男湯はオネエ言葉が飛び交い、ただならぬ濃厚な雰囲気が漂っている。駐車場にベントレーや旧セルシオが停まっていることもある。いろんな人たちに愛されている銭湯だ。自転車の奥様二人連れは、この銭湯の一番湯を浴びて家に帰る途中だと思う。蒸し上がったお饅頭みたいな雰囲気。二人ともすっぴんに濡れた髪で、頭にピンクのタオルを巻いている。たぶん50代。
で、ついつい聞いてしまった二人の会話。

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どうでもいいニュースでなぜか気になったネタ2題 [生活雑感]

今日もFC東京の平山相太が「戦力外スタート」とかスポーツニュースでいじられていたな。国見高校時代は将来の日本代表のエースストライカー! なんて持ち上げられていたのに、最近はすっかり虐められキャラになってしまったみたいだ。FC東京やU20のチームメイトからの信頼もあんまりないみたいだし。確かに緩慢でマヌケな印象はあるけど、中には的外れな批判もあると思うね。正直、ぼくもあまり好きな選手ではないが、それ以上に、マスコミからはかなり意地悪な目で追いかけられている感じがする。ヘラクレス・アルメロから、事もあろうにホームシックで帰国して、ろくにオランダ語も覚えられなかったダメ日本人、が日本での再出発のスタートラインだからその後のハードルは高いよね。でもそのへんのネタで平山を嘲笑して批判する人たちは、1年間オランダで一人暮らしすると言葉もちゃんとマスターできて、ホームシックにもならず、楽しい海外生活を送れるなんて考えているんだろうか。

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占い [生活雑感]

「占い」って信じるかと言われると、占いの言葉に合わせて従順に暮らす事はないと思うのだが、実際にはいろいろと役に立っているので、雑誌や電車内テレビ画面や屋外の表示モニターなど、いろんなところで目にする「占い」はとりあえず読むことにしている。神社に行けばとりあえず御神籤を引く。どんなふうに役に立っているかというと、「もうアタマにきた! 今日こそはっきり言ってやる」みたいな気分で仕事に向かう電車の中で、たまたま目にした星占いに「今日はイライラしがちなので注意。人を傷つけますよ」みたいなことが書いてあって、「あ、ちょっと冷静にならないと」と気持ちを切り替え、その後の仕事がうまく進んだり、飲み屋で愚痴を言いそうになった時に、「陰口はあなたの信頼を奪います」という占いが思い出されて、人に嫌な思いをさせずに済んだり。こんなふうに、助かったことが何度もある。いずれもあまりに真っ当過ぎる「当たり前」の言葉で、標語だったら読み過ごししまうのだろうが、占いになると自分のこととして読んでしまう。占いは自分が置かれている状況を、さまざまな現象で照らし合わせて客観的に語ってくれるもので、それが当たっているかどうかはあまり問題じゃなくて、独善的になったり視野狭窄になりがちな時に、ちょっと違う視点を提供してくれるのが良いところだと思う。人の言葉や忠告だと、時には反感を覚え、素直に聞けない状況もあると思うのだが、その点、占いや御神籤は誰の言葉でもないし、うまくできた仕組みだなと思うわけだ。

で、今週始めの星占いで、週の後半は健康に注意と書いてあって、それなりに養生していたつもりが、ぎっくり腰と夏風邪という最悪のコンビネーションで押し寄せてきた。でも絶対に外せない打ち合わせがいくつかあり、まさに汗と涙で動き回り、こういう運命だったのかなと少々へこたれていた。とりあえず一晩ぐっすり寝ると、風邪はほとんど良くなっていて、腰痛もコルセットを着けると普通に動けるようになった。

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ルドルフ・シュタイナー/姿三四郎 [生活雑感]

忙しい時に限って、面白い読み物に出会してしまう。

以前はいくら読んでもアタマの中を素通りだったルドルフ・シュタイナーの著書が、今は、真夏の鉢植えが水を吸い込むように、ぐんぐんと体の中に入ってくる。やれやれ、今頃になってやっとだ。今夏、シュタイナー学校の取材を通して、体の中にシュタイナーについてのリアリティの核ができて、それに「言葉」が付着し始めたのだろう。ドイツ生活体験の影響もあるのかも知れない。せめて20代の頃に、今みたいにシュタイナーとしっかり向き合いたかった。ぼくの場合はいつも遅れている。常に年齢相応の教養やコメント力を追いかけていて、追いついたと思った瞬間に、ウサギは違うもの、例えば鳥になって飛んでいってしまう。昨日知るべきだったことを今夜やっと知る日々。「一生を一間足りない家に住み」という川柳があるけど、まさに、常に何か足りない生活を死ぬまで送るのだろうか。


シュタイナーは、過去と現在の人生には、内部に「未来」を含んでいると語っている。

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オシムの言葉 [生活雑感]

今夜はすごく蒸し暑い。深夜、近所の小さな公園の捨て猫にゴハンをあげにいく。道の角を曲がると、神田川はまだずっと先なのに、辺りには噎せ返るような川の匂いが漂っていた。それでも公園に近づくと、川水の匂いはゼラニウムの香りと入れ替わって、湿気を含んだ泥のような空気がふわり軽くなった。帰り道に遠回りして川沿いの舗道を歩くと、どこに咲いているのかクチナシの甘い匂いに足が止まる。クチナシは花は白いのに実はオレンジ色。実だけを見た人は、この種から育つ花の白さや匂いは想像もつかないだろうなと思う。月見草の花に、スカシバ蛾が忙しく羽ばたいて花に頭を潜らせているのを見て、空を見上げると右側から欠け始めた丸い月が出ていた。夜の散歩は発見が多い。

さらに暗渠の遊歩道を歩き、新宿中央公園に近いカフェレストランでアイスコーヒーを飲みながら「オシムの言葉」を読み返す。この本はホントに面白い。絶対に読んだほうがいい。

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