GTR [デザイン/建築]
銀座でGTRを見た。
車体もエンジンも思っていたよりコンパクトだった。アメリカでもヨーロッパ各国のデザインとも違う。これは日本以外にはつくれないカタチだな。これこそ現代の日本車だ。ヨーロッパ車風のデザインが多い昨今のクルマの中ではとてもエキゾチック。ごつごつした感じも悪くない。全体的なまとまり感が高いと思った。昆虫か甲殻類の口みたいなフロントマスクは好みが分かれると思う。ぼくはあまり好きではないけど、クルマ自体のアクが強いので、このくらい個性的な顔じゃないと釣り合わないかも知れない。昔、日産がショーモデルを制作したMID4の中途半端なスーパーカーぶりよりはGTRのほうが潔い。なぜスカイラインGTRとして出さなかったのだろう。個人的にはどうでもいいクルマの一つだけど。
スペックを見るとかなりの高性能で、法定最高速度100キロの日本の道路事情では毒な感じだ。アウトバーンみたいな道路網があれば性能=価格=時間と考えることもできただろう。安定して250キロ出せるクルマなら100キロのクルマより2倍以上移動時間を短縮できる。その計算式を日本に適用するのは難しい。でも、余裕があるのは心強い。昔、三菱ランサーEX2000ターボが何台か日本に並行輸入されたことがあったけど、学生の頃、渋滞の玉川通りを走る輸入版ランサーを見た時も、性能を持て余し気味で、日本の道路では窮屈そうで可哀想な感じがした。ランサーEXはアルド・セッサーノ Aldo Sessanoのデザイン。
銀座の後、青山一丁目でホンダのCR-Zも見た。CR-Zは、最初のCR-Xの特長だったコーダトロンカのエンドラインが印象的。80年代始めに登場した“デュエット・クルーザー”バラードスポーツCR-XのCRXはCar Renaissance Xの略だ。CR-ZはCompact Renaissance Zero。名前の意味は違っても現代版のCR-Xを狙っていると思われるのだが、CR-Xとのいちばんの違いは腰高で鈍重な印象があることだ。CR-Xの、片手で持ち上げられそうな軽快な雰囲気はなかった。残念ながら隣に控えめに置かれていたホンダS2000のほうが数倍もカッコ良く見えた。ぼくは“ワンダー”シビックとアコードエアロデッキとCR-Xの、80年代のホンダのデザインが大好きで、特にプラスチックモデルみたいなCR-Xはかなり好きだった。
http://homepage1.nifty.com/e24_hara_p/modelcars/modelcars.htm
CR-Xはホントに原寸大プラモデルみたいなクルマだったけど、これは田宮模型のホンモノのプラモデル(はらぴさん作、写真下リンク参照)。お尻をスパッと垂直に切り落としたコーダトロンカ。マツダのプレッソもそうだった。プレッソは荒川健のデザインだ。今ならフロントガラスをもっと傾斜させて前進させ、ノーズを短く見せるんだろう。現行のインプレッサのフォルムが古くさく見えるのは、ロングノーズだからじゃないかと思う。あとはフロントマスクのデザイン要素が多すぎ。
この頃のクルマでいちばん印象深いのはダイハツのシャレードデトマソ926Rだ。後部座席が外されていて、代わりに剥き出しのエンジンが載っていた。実は現物を見たことはない。でも、この写真を東京モーターショーの特集で見たときにはホントにカッコいいと思った。WRCのグループB規定に沿って200台だけ生産されたシャレード926の後継モデルという噂だった。ということはコレも200台つくられるんだとドキドキしたけど、残念ながらWRCのグループBがあまりに過激になりすぎて廃止になり、926Rのプロジェクトも消えてしまったそうだ。これがもし市販されていたら、GTRの衝撃どころじゃなかっただろうなと思う。
http://storia-x4.com/X4-history.htm
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