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Still Still Still [その他]

7月。月が変わって気分も変わるかな?

一昨日、札幌の実家からアスパラガスが届く。
アスパラガスを食べるとドイツ、じゃなくて北海道を思い出す。

子どもの頃、小児喘息の転地療法で1年くらいだけど北海道の大滝村という寄る辺ない山村で暮らしたことがあった。村名通り街外れに明媚な滝がある。一昨年、隣接していないのに伊達市と合併して伊達市大滝区になった。当時は小さな村落で、標高が高い寒冷地のためか稲作農家はほとんどなくて、農家はアスパラガスなどの高原野菜を栽培していた。今はどうなんだろう。朝、農道を散歩すると、畑仕事のオジさんから売り物にならない細いホワイトアスパラを貰えることがあった。それを家のストーブで炙ってバター醤油で食べるのが好きだった。穫れたてのホワイトアスパラはスイートコーンの味がした。子どもだったぼくには、この村には楽しい思い出ばかりだ。結局は喘息が酷くなって、ぼくは札幌の病院に一人で入院することになる。あの頃は空気がキレイなところに行けば、喘息は良くなると単純に思われていたんだな。

Kaskade(Ryan Raddon)のStill Still Stillを聴くと、どういうわけかぼくの記憶は一足飛びにこの頃の夏の風景に遡るんだけど、どうしてなのか手がかりがまったくない。しかもStill Still Stillってクリスマスの曲なのにね。メロディが少し小学校唱歌っぽいかも知れない。CascadaじゃなくてKaskadeね。

家族が暮らしていた大滝村の公営住宅の裏手はクマザサだらけの崖で、そこを下りると長流川の渓流だ。川まで下りると川石をひっくり返してカゲロウの幼虫を探し、それでニジマスを釣った。ギンヤンマやルリヤンマが飛び交い、浅瀬ではカラスアゲハが何羽も水を飲んでいた。あれが夏だったんだなと思う。本当に懐かしい。昔は大滝村にも「新大滝」という鉄道の駅があって、国鉄胆振線が伊達紋別と倶知安を結んでいたが、国鉄がJR北海道になり間もなく廃線になった。ぼくは胆振線がなくなる秋に大滝村の北湯沢温泉まで一人で行ったことがある。たくさんの落ち葉が線路の上に積もり、それで鉄輪がスリップして列車がなかなか進まず、温泉に到着した時は真夜中になっていた。温泉旅館の主人は、鉄が軋む音と火花を散らしてのろのろと走る列車を旅館の窓から眺めていたそうだ。落ち葉で列車が進まないなんて、捨てられる路線には人手が回らず、成り行きに任せていたのだろうか。今はどうなっているんだろう。最近、子どもの頃の夢をみなくなった。

札幌や都市部を除けば、つい数年前までは、北海道では貧しさが普通だったのだと思う。ぼくは東京に来て初めて“お金持ち”を見た。まあそんな感じだ。ぼくは本当は北海道で暮らしたいと思っている。


奇跡って何だろう。
この前のF1のカナダGP決勝の大クラッシュでは、誰もがレーサー、ロベルト・クビツァの“死”を思い浮かべたはずだ。でも奇跡的に足首の捻挫だけ。それだけフォーミュラカーの安全性は進歩しているのだろうと思った。そのクビツァが前ローマ法王ヨハネ・パウロ二世による奇跡としてローマ法王庁で証言するらしい。事故の際に冠っていたヘルメットに前法王の名前を記していたからだそうだ。バチカンがある限り、神の存在理由と権威はこうして保たれていく。

改めて証言するまでもなく、小さな奇跡は誰の周りでも、日常的に起こっていることなんじゃないかなと思う。「あん時はラッキーだった」話は誰もがたくさん持っている。なぜ自分にラッキーが舞い降りたのか、その不合理を説明できないまま、偶然の意味を見出せないまま日常を過ごしている。意味のある偶然はあるけど、偶然には目的も方向も意味もないと思うけどね。最近ぼくに起きた奇跡について……なんて、他人にとってはどうでもいい話が多いわけで。アマチュアはラッキーばかりを覚えていて、プロはアンラッキー(失敗)だけを覚えているって、昔「Ryu's Bar」って番組で村上龍さんが言ってたことだ。テニスかゴルフの話だったと思うけど。

レース中に聖母に祝福されたアイルトン・セナは、なぜその後、事故で亡くなってしまったのか。彼のフォーミュラカーにはマリア様が降りたことがあるそうだ。ピットとの交信でセナはそう絶叫していた。ブラジルGPで優勝した時だったと思う。

シンクロニシティ

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  • 作者: 管 啓次郎, F.David Peat
  • 出版社/メーカー: 朝日出版社
  • 発売日: 1989/07
  • メディア: 単行本



Kaskade/試聴あり
Kaskade - Here and Now

Here and Now

Here and Now

  • アーティスト: Kaskade
  • 出版社/メーカー: Om
  • 発売日: 2006/05/09
  • メディア: CD


こっちはCascada。間違えないでね。
カスケーダ - いつでもタッチ!


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