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あなご [食事]

少し前の話になるけど、廻ってないのにクオリティと価格は回転寿司とほぼ同等という、かなり微妙なお気楽寿司屋に一人で入って夕食を食べた。場所は秋葉原。なぜか両隣はレースクイーンみたいな素敵な女性と既婚の中年ビジネスマンという組み合わせだ。どんなこと話しているのか、ちょっと気になって、器用にも左右交互に盗み聞きしたんだけど、どちらも、売り場での新製品のキャンペーンがどうこうとか、なんとか部長はホントにいい人……とかいう湿度ゼロの砂漠会話で、今時の「LEON」読者が意外に淡白なので驚いたりした。女性は量販店でミニスカはいて笑顔でサンプル配ったりしている人たちなんだな、たぶん。仕事の話の後は、お決まりの自慢話に突入なんだが、中途半端な美女を前にして口説くきっかけを失っている様子。そのうち言うに事欠いて「昨日の夜、シャンプーとリンスを間違えちゃってさあ」みたいな円熟の面白話が出てくるんじゃないかと個人的にはハラハラしていた。あ、この話はどうでもいいんだ。振り返るとテーブル席の客の何人かがノートPC開いていて、ここは秋葉原なんだなあとしみじみ思った。

両隣の女性があまりに無口なので原寸大フィギュアに見えてきた頃、ぼくは隣人への興味をすっかり失って、勢いで頼んだ生ビールも飲み終え、もう少しお寿司を食べようとネタのケースを覗いてみた。この寿司屋はテーブル席と長いカウンターがあり、カウンターの中には寿司職人が10人くらいいて目の前のお客の注文を聞いて黙々と寿司を握っている。ぼくの席の担当は 「岩手出身」というネームプレートを付けた60歳くらいの人だった。

で、気になったこと。
その職人さんが寿司ネタを「ちゃん」づけで呼ぶんだよ。「は〜い、しろえびちゃんとしめさばちゃんですよー」とか「あらら、ひらめちゃんは切らしてますねー」とか。ぼくが「スミイカとシマアジとアナゴをください」って注文すると「はいはい、ちょっと待ってくださいねー」と愛想笑いしながら、もう切ってある寿司ネタを冷蔵ケースから出して、手早くきゅきゅっと握ってくれるわけ。
「は〜い、こちらのお客さま。すみいかちゃんとしまあじちゃんと……」
ああ、やっぱりどれも「ちゃん」付けなんだな、と思った矢先、
「それから、あなごさんでーす!」って、 おい、あなごだけは「サン」づけかよ。

その時脳裏に浮かんだのは、いつもマスオと飲んだくれてる海山商事の同僚の、ホラ、あの男だ。 長谷川町子の呪縛恐るべし。
http://video.1st-game.net/video.php?id=KBrZFtPE_3c

サザエさんをさがして

サザエさんをさがして

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 単行本


ちなみに穴子さんって28歳という設定なんだそうです。


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