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SOAP/LA大捜査線マーシャル・ロー [美術/音楽/映画]

ベイスターズは今日も負けた。「20世紀少年」もあっけなく終わっていて脱力。

「SOAP」というタイトルのアメリカのホームドラマ知ってる人っているのかな。

突然そんなこと思い出してGoogle検索したら予想外にヒットした。30年くらい前、北海道では深夜に放映していたコメディで、内容はかなり際どくて大人向けだった。超面白かったんだけど、なぜかあまり知られていない。ホームコメディなのに宇宙人に家族がさらわれて、いきなり放送が終わってしまい、最後はかなり中途半端だった。母親と娘が同じテニスのコーチとデきていたり、おじいちゃんは未だに第二次世界大戦が終わっていないと思っていたり、謎のオカマが登場したり、腹話術人形を使わないと普通に話せない男とか(「人形」って言うと怒る)。話の内容はとても「Soap Opera」(お昼の主婦向けドラマ)の時間帯に放送するような内容じゃなかった。それでもタイトルが「SOAP」っていうのも気が利いている。こんなドラマを放送しちゃうなんてアメリカってスゴイなあと、まだ高校生だったぼくは真夜中のブラウン管の前で感心していた。やっぱり自由なんだ……とか。WWEのプロレスを素直に楽しめるくらい、観客や視聴者のエンターテインメント受容範囲は広いんだな。だから30年前にこんなドラマも放送していたんだ。

今は家にはテレビはないけど、以前Appleのパフォーマを使っていた頃はビデオカードをスロットルに入れてたから、アンテナを接続すればテレビを見ることができた。テレビを見るって言っても、帰宅するのは深夜だから、お笑いか海外ドラマか深夜映画くらいしかなくて、とりあえず海外ドラマをよく見ていた。「ザ・シークレットハンター」とか「LA大捜査線マーシャル・ロー」とか「超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ」など。
「ザ・シークレットハンター」は大人なドラマだった(あまり評判が良くなくて途中打ち切り)。最初はテレビドラマじゃなくて映画だと思っていた。主人公はCIAのエージェントを辞めた独り身の白髪で初老の男マッコール、彼のマンハッタンのアパートが趣味が良くて超格好良かった(良い家具使ってました)。洋服も正統派トラッドで渋い。乗ってるクルマはジャガーのクラシックカー。生活にはまったく困っていないらしく、新聞に「不正に泣いている人、連絡ください」という三行広告を出し、趣味で「必殺仕置き人」みたいなことをやってる設定だったと思う。でも新聞広告の電話番号にメッセージを残すのは、教会の寄付とかイタズラ電話ばかり。それでもたまに本当に「不正に泣く人」からの留守番電話が残っていて、それが彼のクライアントになる。よく分からないけどCIAは彼に借りがあるらしく、「コントロール」と呼ばれるCIAの元同僚が時々内緒でマッコールに協力していた。彼には父の仕事を嫌い疎遠になった息子が一人いて、CIAのエージェントを辞めたのは息子との関係を修復する意味もある。テリー・サバラスやロバート・ミッチャムといった大物もゲスト出演していた。内容は、退官したソビエトの二重スパイを助ける話とか、南アフリカから亡命しようとしているミュージシャンや、児童ポルノやカルト宗教とか、深刻な話が多くて、かなりハードボイルド。浦沢直樹の「パイナップルアーミー」や「マスターキートン」みたいなストーリーだ。いつも、子どもなど社会弱者がクライアントだったのも浦沢マンガっぽかった。というか実際に元ネタだったんじゃないだろうか。しかし原題の「The Equalizer」を「シークレットハンター」と訳しちゃうセンスはいかがなものかと思ったけどね。残念ながらDVD化はされていない。

Equalizer: Memories of Manon / TV Movie

Equalizer: Memories of Manon / TV Movie

  • 出版社/メーカー: Universal Studios
  • 発売日: 1998/01/01
  • メディア: ビデオ



「LA大捜査線マーシャル・ロー」はサモ・ハン・キンポー主演の刑事ドラマで、何がスゴイって、いわゆるアングロサクソン系のアメリカ人がほとんどドラマに登場しないことだ。主人公は上海から来た中国人で、上司と相棒はアフリカ系、同僚はヒスパニックとチャイニーズ系(なぜかみんなカンフーの名手)。犯人役もイタリア系ギャングや香港マフィア、オランダ人格闘家とか。LAは本当に多民族都市なんだとこのドラマを見てしみじみ納得。上海から来た中国の警察官がそのままLAで警官になる滅茶苦茶な設定もスゴイ。ヨーロッパでも放映されていたらしい。ドイツでもけっこう有名だった。タイトルバックはキャスト名のアルファベットが変形して漢字みたいなフィギュアになる、アジアンテイストたっぷりのモーショングラフィックスで、なかなかカッコいい。

このドラマを見ていて思い出したのは、今福龍太さんのロサンゼルスの市電の話だ。

LAは完全なクルマ社会が実現されていて、フリーウエーが州内をくまなく巡っているので、市民はクルマに乗って高速を走り、目的地で下りるという生活だったと今福さんはいう。つまり、自分が住んでいる街と目的地をテレポーテションみたいに直接行き来するので、その二カ所の間に何があるのかまったく分からない。高速で走る道路の上からは、その下で誰がどんな生活をしているのかは窺い知れないからだ。LAは多民族が暮らすヘテロカルチュアルな地域だと思っていたのだが、実際は個々の民族は集まって○○人街をつくり、民族間の文化交流はあまり活発ではなかった。クルマで移動するので他の民族と接する機会も少なかったという。そのためちょっとした誤解ややっかみから民族間の争いが起こり、韓国人が経営するスーパーが襲われた事件なども起きたわけ。市側はこの事件を重要視して、異文化理解を促進するプログラムを考えた。例えば教育とか。実は市電もそのプログラムの一環として捉えられると今福さんは言う。LAはクルマ社会なので本来であれば電車は不要だ。そこにあえて新たに敷設された電車路線は、各民族の居住地○○人街を縫うように走っている。各駅からはさまざまな人種の人々が乗り、さまざまな民族が隣り合わせで座る。この街には多様な人種が暮らしているということを市民が自覚すること。それがこの電車に込められた異文化理解を促進する目的の一つだと、今福さんは説明していた。駅舎にはその街に暮らす市民と同じルーツを持つアーティストがパブリックアートを制作している。これも異文化理解のためだ。こうした地道な取り組みがLAでは行われていたらしい。

ところで今はどうなっているんだろう。貧富の差を考えると、現実はもっと厳しいのではないだろうか。韓国人スーパー襲撃事件も、ある意味、貧しい者同士の諍いだった。悲しいことに「情報」も貧しかったのだ。少なくともリッチな白人たちは関わっていない。小泉政権が目指すという競争社会アメリカがつくり出した深く黒い影ではないかと思う。

クレオール主義

クレオール主義

  • 作者: 今福 龍太
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2003/05
  • メディア: 文庫



「超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ」には映画「ビッグウエンズデー」に主演したジャン・マイケル・ヴィンセントが、チェロ奏者でベトナム帰りのジェットヘリパイロット役ホークを演じている。相棒はオスカー俳優のアーネスト・ボーグナインが演じるイタリア系アメリカ人で小さな航空会社オーナー。主人公のホークも表向きはこの会社の社員だ。エアーウルフを開発したCIAの秘密工作部長は、白いスーツで黒いアイパッチ、テスト飛行中に事故に遭い片足が義足、とキャラ立ちが抜群だった。名前は忘れたけど「何とかエンジェル」というコードネームで呼ばれていたように記憶している。冷戦時代のドラマだったから、よくソ連のミグや東ベルリン、リビアが敵役で登場していた。CGじゃない実写のジェットヘリの戦闘シーンを見ると、こんなの日本なら映画でも無理だと思ったりして。どれだけ予算をかけていたんだろう。エアーウルフのデザインも秀逸だったな。

Amazonで検索したら、な、なんと「SOAP」がDVDになっていた。ただし英語版。
ついでに「エアーウルフ」も。パッケージにはCIAのアイパッチ男もちゃんと載っている。

Soap: Complete Fourth Season (3pc) (Full)

Soap: Complete Fourth Season (3pc) (Full)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2005/10/11
  • メディア: DVD


Airwolf: Season One (2pc) (Full Sub Dol)

Airwolf: Season One (2pc) (Full Sub Dol)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2005/05/24
  • メディア: DVD



「ダンディ2・華麗な冒険」はイギリスのドラマだけど、これは事実上、吹き替えを担当した広川太一郎(ヤンキー)と佐々木功(殿様)が主演のドラマだったよな(ホントの出演はトニー・カーティスとロジャー・ムーア)。けっこう有名なので説明するまでもないと思うけど、広川太一郎の狂気のアドリブが四輪駆動になってスーパーチャージャーがついた感じで、もう絶好調だった。ホントのシナリオってどんなのだったんだろう。原盤ではトニー・カーティスは絶対にこんなことしゃべてないよなーと思いながら見てた。「ヤンキーのだんな」のしゃべりを学校でよく真似したな。出てくるクルマはフェラーリ製6気筒ディーノ246GTに、ボンドカーを連想させるアストンマーチンのクーペ。「ダンディ2・華麗な冒険」は少し前にDVDが発売されたので、ボックスを大人買いして上映会とかやりたい気分だ(あとハマーとレッドドワーフも)。

ダンディ2 華麗な冒険 コンプリートDVD-BOX1

ダンディ2 華麗な冒険 コンプリートDVD-BOX1

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2003/07/24
  • メディア: DVD


ダンディ2 華麗な冒険 コンプリートDVD-BOX2

ダンディ2 華麗な冒険 コンプリートDVD-BOX2

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2003/08/28
  • メディア: DVD




ちなみにドイツでは「子連れ狼」がドイツ語吹き替え放送中でけっこう人気があった。

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